「“ひとり出版社”という働きかた」を読んでみて

ニートだと考える時間が多く、不安もあるが、
好奇心も尽きない。今回はその両方を満たすべく、図書館に向かった。

 


こんな取り留めもない、落書きのような文を書いてるが、
何とか執筆できる仕事で生きてけないかと模索している。
そんな自分の目に留まったのが
「“ひとり出版社”という働きかた」
という本。

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出版と言えば、普通は会社で行うもので、
本を作る現場にはいたことなかったが、
たくさんの工程を経て、本が出来上がるということは
情報としてわかっていて、イメージができていた。

それを一人なんて無理なのでは、と思い、手に取った。

10人の体験談が語られており、経歴、年齢、性別問わず、
挙げられていた。
印象としては業界経験者、業界に近かった人が大半だった。
あとはもともとの能力が高いのかなと感じた。
そもそも出版をやろうという考えに至る時点で、
独立心と能力があるのだろう。

それでも、やることの多い業界のため、それぞれがそれぞれの
仕事に悪戦苦闘をしている。
前職が役立って、前より少し忙くなった程度という人はいなかった。
確実に誰でもできる生き方ではない。

この10名に共通しているのは「出版」に対して、夢や想いがあること。
売りたい本を売れるように売りたい。業界の常識にとらわれない売り方をする。
その人なりの展望が描かれていた。

この生き方はいばらの道だが、豊かな経験と充実した人生が得られるだろう。

正直、出版業界が明るいとは言えない。
出版だけで食べられるようにしたいと語っている方がいたが、
Twitterをひっきりなしにイベント中に更新して、
売り込まざるを得ない現実もある。

自分の近所の本屋も2件潰れ、少し先の本屋も経営母体が倒産し、買収された。
書店の卸問屋にあたる取次も1社倒産した。
景気のいい話は著名作の売り上げ以外、聞くことはない。
業界全体が暗い。

ネガティヴなことばかり並べ挑戦しないのはもったいないと、
方々で聞いたが、実際に挑むとなると、難しい。
夢を現実に昇華させることの厳しさを考えると簡単に
前だけ見ろとは言えない。

ただ、それでも未来を描き、実現に結び付けようとしている人たちが
この本の中にいる。
人によっては自分の生き方に不安を抱くかもしれない。
それでも、生きることを直視できて、いい。
できることなら、今、抱えているその不安を乗り越え、
自分もこの10人と同じく、切り拓きながら生きられれば、

最高だ。決して一人じゃない。