雑誌アンケートから伝わる読者の心
雑誌や単行本についてくるアンケート用紙。
一回も書いて送ったことはない。
きっと、書いて送った方が作る側は励みになるだろうな、とは思いながら。
雑誌編集で雑用のバイトをしていたとき、アンケートの処理をしていたことがあった。
コピーして、内容ごとに分けたり、当選者別に分けたり。
でも、雑誌を買っても、アンケート書くなんて少ないだろうな。そう思っていた。
しかし、予想以上にたくさんあった。
自分が携わったのは1日に200通くらいだが、
全体で10000通くらいあるらしい。
それだけでも、読者の熱意が伝わるのだが、
感想などもしっかり書いてくれていた。
ミスの指摘などもあった。
出版物は編集と作家が頑張っているイメージしかなかったが、
読者との共同作業でもあることを思い知った。
素人がプロの世界をのぞき込んで思った雑感だ。
それと、バイトで客と接することが多かったが、
受付など、表面上でしか接してなかったため、
お客様は金で神になれると思い込んでる人というイメージが強かった。
わがままで傲慢で、こちらの業務に意を返すことはないと考えていた。
しかし、読者のはがきを読む内に心無い人は少ないことが分かった。
感謝のハガキもあれば、長年のファンだというハガキもあった。
それも全国各地、あらゆる方から届いた。
よく考えたら、プレッシャーでもあるが、何より頑張ろうと思える原動力だ。
人をもう少し信じてもいいと思えた。
社員の人は薄給のようだが、読者の愛が支えているのだろう。
ブラックな部分は否定しないが、
できれば、業務環境が改善されつつも、読者を裏切らない誌面づくりが
できるようになればいいと切に願う。
もう社員の人は忘れているのかもしれない。
自分もどこかで正式に仕事を請ける日が来て、
慣れていくと忘れていくかもしれない。
それでも、このことはどこかで思い出したい。